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「軍事学を学ぶ」は、軍事学という学問を紹介するためのサイトです。世界平和は人類の夢ですが、戦争は時代や地域を超えて見られる普遍的な事象であり、また安全保障環境が厳しさが増している我が国でも近年では、戦争という問題に対する関心が高まっているように思われます。しかし、こうした関心の高まりに対応するための知的基盤は決して満足できるものではありません。戦争を客観的、学術的に研究するためには、多くの人々と知識を分かち合い、批判と検証を重ねていく努力が欠かせません。そのためにも、より多くの人々に軍事学という学問の奥深さや面白さを知っていただくことが必要であると考えています。「軍事学を学ぶ」は、日本において親しむ機会が少ない軍事学という学問を知っていただくことを目指しています。
最も単純な定義を採るなら、軍事学とは戦争を研究する学問といえます。しかし、現代の軍事学の研究領域は多様化、学際化する傾向にあり、その領域を明確に特徴付けることは難しくなっています。最近の軍事学百科事典で採用された軍事学の定義では次のように述べられています。「軍事学とは戦争の研究であり、組織化された軍事力の理論とその応用、軍事的意思決定過程の手続き、個々の部隊や軍事組織の制度、平時・戦時における個人や部隊の行動について考察する学問である」(Jordan, 2013: 880)
この定義を見ても、軍事学の研究領域がかなり広い範囲に及ぶことが分かります。軍事学の歴史でこのような理解が定着したのは比較的最近のことであり、かつて軍事学は軍人の職業的要求に答えるための学問でしかない、という理解もありました。しかし、第一次世界大戦、第二次世界大戦の壮絶な経験から、軍事学に対する関心は拡大し、特に冷戦期においては核戦略の研究で軍人ではない文民の研究者が軍事学で重要な貢献を果たすことが増えました。
こうした学問を取り巻く社会状況の変化により、軍事学は総合化、学際化の方向に進み、戦略・戦術、軍事史といった伝統的な研究領域に加えて、軍事心理学、軍事地理学、軍事社会学、防衛経済学、オペレーションズ・リサーチなどの派生的領域も含めるようになっています。本サイトでは軍事学の中核である戦略・戦術を基礎としながらも、厳密に研究内容を区分することは避け、可能な限り軍事学を広い学問として考えています。
管理人の武内和人(筆名)は大学で政治学科目を担当する教員を務めています。大学生の時期に軍事学を学び始めた頃、どのような文献や論文を読めばよいのか検討もつかず、周囲に相談できる人もおらず、大変苦労した経験があります。「軍事学を学ぶ」は、当時の私のような状況の人々をお手伝いするために立ち上げたサイトともいえます。いろいろと拙いところも見受けられるかと存じますが、これから軍事学を学ぶ方のために何かお役に立てればと願っております。
「軍事学を学ぶ」の管理人はコンテンツの客観性、中立性に影響を及ぼす可能性があると考えられる政府組織・民間組織から資金や支援を受けていません。防衛省・自衛隊とも一切の関係がありません。管理人の調査研究は皆様からの支援と寄付によって行われています。ご支援をお願いできるのであれば、noteにおいてアカウントを持っており、そちらでは「チップで応援」機能が実装されています。また、Amazonの著者ページより商品を購入していただければ幸いです。すべてのご支援は調査研究のために大事に使わせて頂きます。
2025年1月28日最終更新