モルゲンシュテルン

モルゲンシュテルン

オスカー・モルゲンシュテルンOskar Morgenstern, 1902年1月24日 - 1977年7月26日)はアメリカの経済学者

経歴

ドイツのゲルリッツ出身。オーストリアのウィーンで育つ。1925年にウィーン大学で政治学の博士号を取得した。1928年にウィーン大学で経済学の教授に就任するが、1938年にアメリカに渡航していた際にオーストリア併合が発生した。この際に大学での職を失ったため、アメリカに留まり、プリンストン大学の教授に就任した。この時にプリンストン高等研究所に入所し、ジョン・フォン・ノイマンと出会っている。ノイマンと共同研究を行い、その成果を『ゲームの理論と経済行動』(1944)にまとめたことで、ゲーム理論の発展に貢献した。第二次世界大戦が終結してから、モルゲンシュテルンは国防問題に対する研究を発表しており、1954年に「軍隊の補給システムにおける一貫性の問題(Consistency Problem in the Military Supply System)」、1955年に「兵站の理論の形成に関する覚書(Note on the Formulation of the Theory of Logistics)」を発表し、兵站学の研究で成果を上げている。1958年に上階両院合同原子力委員会に加わり、軍事応用分科委員会の顧問として水中戦に関する調査研究に従事した。1959年に発表した『国防の問題(The question of national defense)』はアメリカの核戦略のあり方を考察した研究であり、ソ連の攻撃を抑止する上で有効と考えられる方策が総合的に検討されている。1970年にプリンストン大学を退いてからは、ニューヨーク大学で教授を務めた。1977年にニュージャージー州にて死去。

著作

  • Morgenstern, O. (1955). Note on the formulation of the theory of logistics. Naval Research Logistics Quarterly, 2(3), 129–136. doi:10.1002/nav.3800020303

  • Morgenstern, O. (1954). Consistency problems in the military supply system. Naval Research Logistics Quarterly, 1(4), 265–281. doi:10.1002/nav.3800010404

  • Morgenstern, O. and J. von Neumann. (1944). Theory of games and economic behaviour (1955 - 3rd ed.). Princeton: Princeton University Press.(邦訳『ゲームの理論と経済行動』全3巻、阿部修一ほか訳、筑摩書房、2009年

  • Morgenstern, O. (1959). The question of national defense. New York: Random House.(邦訳『米国国防の諸問題』筑土竜男訳、鹿島研究所、1962年)

  • Morgenstern, O. (1966). Civil Defense: Economic Problems. Scientist and Citizen, 8(4-5), 1–5. doi:10.1080/21551278.1966.10114736