シムズ

シムズ

ウィリアム・シムズ(William Sims, 1858年10月15日 - 1936年9月28日)はアメリカの海軍軍人である。第一次世界大戦におけるアメリカ海軍の対潜戦闘、船団護衛に関する著作を残し、またアメリカ海軍大学校の発展に貢献した人物として知られている。

経歴

カナダでアメリカの両親の子供として誕生。1880年にアメリカ海軍に入ることを決め、海軍兵学校に入学した。1894年に東洋艦隊の巡洋艦「チャールストン」に配属された。フランス留学を経て1897年から駐在武官としてフランスに赴任し、ヨーロッパ各国の海軍について調査した。この時期に海軍次官だったセオドア・ローズヴェルトとの関係を築いたことで、政界との繋がりを持つことができた。1900年に戦艦「ケンタッキー」で勤務したが、その射撃管制に重大な問題があるとローズヴェルトに直談判して受け入れられたことがある。

1902年に海軍省航海局で射撃訓練監督官に就任して、アメリカ海軍を他のヨーロッパ諸国の海軍と同じ水準に引き上げようと改革を推し進めた。1911年に海軍大学校に入学して軍事学を研究し、1913年に大西洋艦隊の水雷戦隊司令官に着任してからは、その成果を活用して水雷夜戦の戦術ドクトリンの研究を指導するようになった。第一次世界大戦ではイギリスに渡ってドイツの潜水艦に対する対潜戦闘と船団護衛に必要なドクトリンの研究に取り組んだ。戦後に海軍大学校の校長に就任してから第一次世界大戦の経験を書き記し、『海上での勝利(The Victory at Sea)』(1920)として発表し、高い評価を受けた。

1922年に退役したが、その後も航空戦力の充実を訴えるなど積極的に発言し、1925年に戦艦への投資を中止するように議会で証言したことは世間から注目された。マサチューセッツ州ボストンで死去。

著作

  • Sims, William. 1920. Victory at Sea. London: J. Murray.