デュピュイ

デュピュイ

トレヴァー・デュピュイ(Trevor N. Dupuy, 1916年 - 1995年)はアメリカの陸軍軍人、軍事学者、シンクタンク研究者である。

経歴

ニューヨーク市の出身。軍事学者の家に生まれ、ウェストポイントの陸軍士官学校を経て砲兵科将校になった。第二次世界大戦においてはビルマ方面で従軍した。戦後はアメリカ国防総省で勤務し、また1950年からはヨーロッパ連合軍最高司令部で勤務した。

1952年に第一線を退いてハーバード大学で軍事学・戦術学教授として着任し、同大学で防衛学プログラムの設置に貢献した。1956年にハーバード大学を退職するとオハイオ州立大学でも軍事学の教育課程を設置する事業を監督した。1958年にミャンマーのラングーン大学(現ヤンゴン大学)に移り、そこでは国際関係学客員教授として着任した。

アメリカに帰国してから1962年に防衛分析を専門にするシンクタンクとして歴史評価研究機構(Historical Evaluation and Research Organization, HERO)を設立し、政府の受託研究を行うようになった。この調査研究を通じて有名なランチェスター方程式に代わる定量化判定モデル(Quantified Judgement Model)を唱えたことによって注目を集めた。ヴァージニア州ヴィーナにて死去。

著作

デュピュイの業績としてよく知られているのは、父(R. Ernest Dupuy)との共著である『軍事史百科事典(Encyclopedia of Military History)』(1975)である。これは1986年、1993年に改定された。またデュピュイは歴史的にドイツ軍が発揮してきた戦闘効率の優秀性について指摘したことでも知られており、『戦争の天才(A Genius for War)』(1977)は何度も再版されている。また定量化判定モデルをまとめた『戦争を理解する(Understanding War)』も重要な業績である。