アルダン・ドゥ・ピック

アルダン・ドゥ・ピック

シャルル・アルダン・ドゥ・ピック(Charles Ardant du Picq, 1821年10月19日 - 1870年8月18日)はフランスの陸軍軍人である。19世紀のフランスの軍事学史において士気の重要性に注目した研究者として知られている。

経歴

ペリグー出身。1844年にサン・シール陸軍士官学校を出て、歩兵科の将校として部隊に勤務した。クリミア戦争にフランスが参戦したことでセヴァストポリ要塞に対する攻撃に参加し、ロシア軍に捕虜となった。釈放されて軍務に復帰すると、大隊長として1860年にシリアに派遣され、1年にわたって従軍した。1864から66年までアフリカにも赴任し、そこでも戦闘に参加した。

帰国後、1868年に『戦闘の研究(Études sur le combat)』を出版し、戦闘に対する理解を深めるために、兵士の心理、行動を分析する必要があることを主張した。1869年に第10連隊長に着任しているが、翌1870年の普仏戦争で負傷し、その傷が原因でメッツにて死去した。著作は死後もフランス陸軍の将校団で読まれ、やがて戦闘力の精神的要素、特に攻撃精神の重要性が説かれるようになるきっかけを作った。

著作

アルダン・ドゥ・ピックは戦場心理に対して深い理解があっただけでなく、それが戦闘における部隊の戦術行動に与える影響と関連付けて検討することで注目を集めた。戦場における士気の意義を説いたことで多くの研究者に影響を与えた。