ウィントリンガム

ウィントリンガム

トマス・ヘンリー・ウィントリンガム(Thomas Henry Wintringham, 1898年5月15日 - 1949年8月16日)はイギリスのイギリスの軍人、共産主義活動家、記者。

経歴

イギリスのグリムスビー出身。オックスフォード大学で歴史学の教育を受け、1915年に奨学生に選出されているが、第一次世界大戦の最中に陸軍に志願し、航空隊に配属され、整備士として勤務した。戦後、オックスフォード大学に戻るが、長期休暇を取得してソ連に渡り、共産主義者となって帰国した。大学を卒業してからはロンドンで政治活動に専念し、1923年にグレートブリテン共産党に入党した。1925年に政治犯として投獄されている。1930年には共産党の機関紙の執筆者として軍事専門家として著述を行うようになっていた。1936年にスペイン内戦が勃発した際には、記者として現地に派遣された。1937年2月のジャラマの戦闘で負傷し、腸チフスにかかったことから、同年8月に帰国している。この時期からソ連の政策と党の方針に疑問を抱き、公然と批判を加えることさえあった。1938年からはゲリラ戦を指導する民兵の強化運動に取り組み、1939年に第二次世界大戦が勃発すると陸軍に再び志願した。しかし、共産主義者としての経歴から、陸軍は受け入れを拒否した。1940年にドイツがフランスを降伏に追い込んでからは、ますます防衛意識を高めるようになり、ロンドンで私立の学校を設立し、そこで民兵の訓練を開始した。しかし、この活動は陸軍によって取って代わられていった。1942年に新設されたコモンウェルス党に加わり、選挙に出馬したが当選には至らなかった。戦後は国際連合が自由に運用することが可能な政治的に中立の民兵である世界民兵(World Guard)の編成を提唱していた。

著作

ウィントリンガムは人民戦争の擁護者であり、市民にゲリラとしての技能と戦術を学ぶことを主張していた。戦術の歴史に関する研究を残しており、軍事史の研究者としての側面も持っていた。

  • Wintringham, T. English Captain, Faber 1939.

  • Wintringham, T. New Ways of War. Penguin Books, 1940.

  • Wintringham, T. Weapons and Tactics from Troy to Stalingrad, Boston: Houghton Mifflin, 1943.