杜佑

杜佑

杜佑(Tu Yu, 735年 - 812年)は唐代の官吏であり、中国の軍事学史では著作『通典』が注目されている。

経歴・著作

字は君卿、京兆万年(現在の陝西省西安)出身。代々にわたって官吏を輩出した名門の家に生まれた。楊炎に仕え、藩鎮が反乱を起こして討伐のための軍隊を起こした際にも後方支援で関わっている。その後も要職を歴任し、宰相として皇帝に仕えた。著作『通典』は801年に朝廷に提出された200巻からなる大著であり、古代から唐の時代に至るまでのさまざまな制度の歴史が記されている。軍事学史において注目されるのは「兵典」としてまとめられる第148巻から第162巻までの部分であり、そこでは中国における軍制の変遷が記述され、その序文では軍制が不健全な状態に陥れば、国家の安全が脅かされることが述べられている。そこでは『孫子』の文言が数多く引用されており、その内容を高く評価している。