焦勖

焦勖

焦勖(17世紀?)は明代の軍事学者であり、中国の軍事学史において火器の製造と運用に関する研究に取り組んだ先駆者として知られている。

寧国(現在の安徽貴池)出身。中国を訪れたドイツ人の宣教師から火器の製造に関する技術を伝授され、独自に研究も行って中国の火器をヨーロッパの水準に近付けた。著作『火攻挈要』の特徴として指摘できるのは、その火器の運用において有効射程の概念を導入し、射距離の判定方法や発射速度について戦術的な考察を行ったことである。当時の火器はまだ近接戦闘に対応できるほどの発射速度を発揮できなかったため、白兵で交戦することにより火兵の弱点を補うことについても検討されている。