ヴェントゥリーニ

ヴェントゥリーニ

ヨハン・ゲオルグ・ヴェントゥリーニ(Johann Georg Julius Venturini, 1772年 - 1802年)はドイツ出身の陸軍軍人、軍事学者である。

経歴・業績

ブラウンシュヴァイク出身。家系や経歴に関しては短期の軍歴があること以外はほとんど何も分からない。しかし、注目すべき業績として『応用戦術学教程(Lehrbuch der angewandten Taktik)』(1798)が残されている。それによれば、戦争において地形の活用を適切にすることが最も重要なことであり、わずかな地形であったとしても、我の部隊の警戒と効率を増すように工夫して占領すれば、大きな軍事的な優位がもたらされる。ただ、歩兵、騎兵、砲兵はそれぞれ戦闘を遂行する方法が異なることから、地形が戦闘力に及ぼす効果がそれぞれ異なる。したがって、戦争術において最も重要な原則は、それぞれの部隊をその特性に応じて有利な地点に配置することによって軍事的目標を達成することである。

ヴェントゥリーニは戦争における地形の効果を検証する目的で実際の地形を模した兵棋盤を作成したが、これは近代的な図上演習の試みとして画期的なものだった。兵棋盤は方眼で区切られ、現実の地形に合わせて各方眼の高度が異なっていた。この兵棋盤を使って演習員に実際の地形を踏まえた状況判断、意思決定を演練することが目的だった。このような兵棋の使い方はその後のドイツで飛躍的に発展し、ゲーミングによって軍事学を研究する方法を確立することに繋がった。

Venturini, G. 1798. Lehrbuch der angewandten Taktik oder eigentlichen Kriegswissenschaft. Schleswig.