孫武

孫武

孫武(Sun Wu, 紀元前535年? - 没年不詳)は春秋時代の中国で呉に仕官した軍人とされる。『孫子』の著者として知られており、軍事思想の詳細については『孫子』のページを参照されたい。

経歴

孫武の生没、家系、経歴はいずれもよく分かっていない。司馬遷の『史記』によると、斉の出身で、呉王闔閭(紀元前514年-496年)に将軍として仕え、西方の楚との戦争で軍の指揮をとって勝利を収め、北方の斉や晋にも遠征したなどとされているが、これらの記述の信憑性がどの程度のものかは不明確である。呉王にその実力を示すため、宮廷の女性を兵士に見立てた即席の演習を行ったという逸話が伝えられているが、実際にあった出来事としては疑問がある。

著作

最も重要な業績として、世界最古の兵書としても知られる『孫子』がある。後に書かれた『孫臏兵法』と区別するために『孫子兵法』と表記される場合もある。数多くの注釈書、翻訳書、解説書が出されている。以下に翻訳を紹介するが、初めて読む場合には読みやすい浅野の『孫子』を推奨する。

  • 金谷治訳注『新訂孫子』岩波書店、2000年
  • 天野鎮雄『孫子 呉子』明治書院、1972年
  • 浅野裕一『孫子』講談社、1997年