アンジェイエフスキー

アンジェイエフスキー

スタニスラフ・アンジェイエフスキー(Stanislaw Andrezejewski, 1919年5月8日 - 2007年9月26日)はポーランド出身の社会学者である。社会学の手法を用いて軍隊と社会の関係を分析した功績で知られており、軍事社会学の発展に貢献した。

経歴

ポーランド出身。ポズナンのアダム・ミツキェヴィチ大学で経済学を学んでいたが、1939年に第二次世界大戦が勃発したため、下士官相当の士官候補生として砲兵部隊に配属された。アンジェイエフスキーはソ連軍の捕虜収容所に送られた。その後、捕虜収容所から脱出し、ポーランド亡命政府が置かれたフランスに渡ったが、1940年にフランスがドイツに降伏したため、イギリスに脱出した。

イギリスでポーランド陸軍軍人ヴワディスワフ・アンデルスが指揮をとるポーランド第二軍団の一員となり、イタリア戦役に参加した。戦後のポーランドはソ連を中心とする東側陣営に組み込まれ、共産主義政権が成立したため、帰国できない政治状況にあった。そのためイギリスに留まってロンドン大学のロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに入学した。大学では社会学者カール・マンハイムに師事し、1953年に社会学の研究で博士号を取得した。その後、南アフリカに移住し、ローズ大学で教鞭をとった。

1964年にイギリスに戻り、レディング大学の教授に就任した。この大学で新しく設置された社会学部の学部長を務め、1984年までその地位にあった。その後もメキシコのモントレー・ビジネス・スクール、チェンストホヴァ語学大学で講師として教育に携わった。レディングにて死去。

業績

アンジェイエフスキーは軍事社会学における古典的著作として『軍事組織と社会(Military Organization and Society)』(1954)を残しており、1968年に第2版が出されている。2004年に日本語にも翻訳されているため、読者はこちらを参照するとよい。軍隊の形態や構造が社会の状況に応じてどのように変化するかが考察されている。

この訳書にはアンジェイエフスキーの研究論文2本、書評論文1本の翻訳も収録されている。優れた翻訳であるものの、あとがきで記されたアンジェイエフスキーの経歴に関する記述には不正確な部分が少なくなく、読む際には注意を必要とする。