ボダルト

ボダルト

ガストン・ボダルト(Gaston Bodart, 1867年 - 1940年)はオーストリアの官吏、歴史家である。

ウィーン出身。ベルギー系の家庭に生まれる。オーストリアで公務員として勤務する傍ら、軍事学の調査研究に取り組み、17世紀の初頭に勃発した三十年戦争から、20世紀の初頭に勃発した日露戦争までに至る主要な戦争の人的損害に関するデータを収集、整理した。1908年に主著である『軍事史戦争事典(Militär-historisches Kriegs-Lexikon 1618-1905)』を出版している。これは近世以降に生起した数千件の戦闘を網羅した著作であり、これをもとにした分析を『近代戦における人的損耗(Losses of Life in Modern Wars)』(1916)で発表した。ウィラード(Daniel Willard)はボダルトの著作で示されたデータを使用することによって、ランチェスター方程式に実証的な妥当性がないことを主張している。