弾道学

弾道学

弾道学(ballistics)とは、火器から発射される弾丸、爆弾、誘導弾、ロケット弾などの飛翔体の運動に関する研究を中核とした応用科学である。

概要

弾道学を表すballisticsという英語は、古代ローマで運用された弩砲(カタパルト:baliste)に由来する。一般的に物理学、特に力学の下位領域と位置付けられており、伝統的にその研究領域は砲内の弾丸の運動を研究する砲内弾道学(interior ballistics)、砲内と砲外の中間領域における弾丸の運動を研究する過渡弾道学(intermediate ballistics)、待機中における弾丸の運動を研究する砲外弾道学(exterior ballistics)、弾丸、ロケット弾などが弾着、破裂してから目標に及ぼす効果を研究する終末弾道学(terminal ballistics)に区分される。ただし、現代の弾道学の研究には従来の領域区分に当てはまらないものも少なくなく、例えば弾頭が人体に与える傷害に注目する研究や、戦場において標的を捕捉する技術の研究、火器システムのシミュレーション技術の研究なども行われている。

参考文献

  • Carlucci, D. E., and S. C. Jacobson. 2018. Ballistics: Theory and Design of Guns and Ammunition. 3rd edition. CRC Press.
  • 全米ライフル協会監修『銃の基礎知識 : 銃の見方から歴史、構造、弾道学まで』小林宏明訳、学習研究社、2008年