フロンスペルガー

フロンスペルガー

レオンハルト・フロンスペルガー(Leonhard Fronsperger 1520年? - 1575年5月23日)はドイツで生まれた陸軍軍人、軍事著述家である。

出身地や家系については不明な点が多い。恐らく南ドイツ(ウルム、あるいはミュンヘン)において生まれ、1553年に将校としてカール五世が率いる皇帝軍に加わった。それから1573年までの20年にわたって皇帝軍で勤務し、最終的にウルムで市民権を得て、同市の軍事専門官に就任した。部隊を検閲していた最中に不慮の事故で死去したが、主要な研究業績として『戦争の書(Das Kriegsbuch)』(1573)を書き残していた。この著作は体系的な軍事学の研究書ではないものの、戦争術に関する主題を幅広く包括した著作であり、例えば攻城砲(臼砲)やロケットなどの武器から、陣形や戦術、さらには軍隊の管理や法令に関する解説が盛り込まれている。現在ではほとんど読まれていないが、自らの戦闘経験に裏付けられた攻囲に関する独自の見解は当時の戦場の実情を知る上で有益なものである。また、図解を駆使して武器や戦術を説明した内容は16世紀のドイツで広く読まれており、大きな影響力を持っていた。

  • Fronsperger, Leonhard. 1573. Kriegßbuch, Frankfurt am Main.