コラン

コラン

ジャン・コラン(Jean Lambert Alphonse Colin 1864年12月27日 - 1917年12月30日)はフランスの陸軍軍人である。フランス陸軍においてナポレオンの戦略思想を支持する学派を批判した軍事学者として知られている。

著作

コランの出身、家系、経歴については調査しても入手できる資料が少なく、不明な点が少なくない。エコール・ポリテクニークで教育を受けた後に陸軍の砲兵科将校になったが、カール・フォン・クラウゼヴィッツの著作の翻訳『1796年のイタリア戦役(La campagne de 1796 en Italie)』を出版し、1900年に陸軍歴史局に配属された。その後も軍事史に関する研究成果を続々と発表しており、1911年には主著『戦争の変容(Les transformations de la guerre)』を出版して注目を集めた。1914年に第一次世界大戦が勃発した年に准将に昇進し、戦時中は指揮官として従軍したが、1917年にセルビア戦線で戦死した。

著作

主著『戦争の変容』においては、武器の発達によって戦闘の様相が変化しているという認識を示した上で、以前よりも作戦線を保持することの重要性が増していることや、攻撃に対して防御の方が戦闘においては優位に立てる状況が出現していると指摘し、将来戦の特徴を的確に洞察していた。著作は日本語に翻訳されていないが、英語に翻訳されている。また戦後に復刻されているため、フランス語も比較的入手しやすい。