フォラール

フォラール

ジャン・シャルル・ド・フォラール( Jean Charles de Folard, 1669年2月13日 - 1752年3月23日)はフランスの陸軍軍人である。

フランスのアビニョン出身。幼少期の頃について詳しいことは分かっていないが、カエサルの著作を読んだことがきっかけとなって、軍人の道を志して家出した。入隊したフランス軍で勤務していたが、1701年に勃発したスペイン継承戦争に従軍し、イタリアなどで数多くの戦闘を経験した。この戦争は1714年に終結したが、フォラールはその後も戦地を求めてスウェーデンに渡り、スウェーデン王カール十二世が率いる軍隊に加わった。

ストックホルム滞在中にギリシア・ローマの軍事学に興味を抱くようになり、その研究に着手した。フランスに帰国する途上の海難事故で原稿が失われる事件もあったが、後に書き直されて『ポリュビオスの歴史 (Histoire de Polybe)』(1727)などとして出版されている。この著作では初めて野戦で縦隊を使用することが提案されていたため、大きな論争を巻き起こすことになった。

フォラールの説によれば、戦場で敵に突撃を仕掛ける場合、横隊よりも縦隊の方が運動性において優れている。縦隊は定員550名の歩兵大隊を単位として独立的に機動できるようにすれば、左右の側面を掩護するためにも、また中央に増援する際にも自在に動かすことができる。このような主張は多くの批判を受け、例えば方向転換や部隊統制の難しさや火器を使用する際に射撃できる人員が限られることなどが指摘された。しかし、当時の慣用的な戦法の妥当性を大胆に見直し、原理原則に立ち返って合理的な戦術を作り上げようとするフォラールの方法は注目を集め、例えばフランスの軍人メニール・デュランの研究に大きな影響を残した。

  • Folard, J. C. de. 1727. Histoire de Polybe, nouvellement traduite du grec par dom Vincent Thuillier, ... avec un commentaire ou un corps de science militaire enrichi de notes critiques et historiques. Paris.