リプシウス

リプシウス

ユストゥス・リプシウス(Justus Lipsius, 1547年10月18日 - 1606年3月23日)はオランダの哲学者である。古典時代の軍事思想を再評価し、17世紀以降のオランダ陸軍の近代化に貢献した。

経歴

ブラバント公国のオーフェルエイセ出身。ルーヴェン大学で学び、スペイン・ハプスブルク家に仕える枢機卿グランヴェル(1517-1586)の秘書官になった。イタリア、ブルゴーニュ、ドイツ、オーストリア、ボヘミアを巡り、その途中でイェーナ大学で教鞭をとった。その後、ルーヴェンに戻ったが、八十年戦争(1568-1648)の戦禍から逃れるために、1579年に北ネーデルラントに避難した。避難先でライデン大学の歴史学教授に招聘され、そこで多くの研究業績を残した。リプシウスがライデン大学で教えていた学生には、スペインからの独立を求める八十年戦争でオランダの指導者になったオラニエ公マウリッツ(1567-1625)がおり、彼はリプシウスが1595年に出版した『ローマの軍隊(De militia romana)』(邦訳なし)に影響を受けたとされている。1590年にライデン大学を離れるとルーヴェンに戻ったが、その後もスペイン王室から枢密顧問官、史料編纂官の身分を与えられて、調査研究を続けることができた。ルーヴェンにて死去。