コロンナ

コロンナ

エジディオ・コロンナ(Egidio Colonna, 1243年頃? - 1316年12月?)はローマ・カトリック教会の聖職者、神学者である。エギディウス・ロマヌス(Aegidius Romanus)とも。

経歴

その経歴には不明な点が多いが、1243年頃にイタリアのローマで生まれ、聖アウグスチノ修道会に入会して聖職者を志した。やがて、フランスのパリ大学に移り、本格的に神学と哲学の研究に着手した。1269年から1272年にかけて神学者トマス・アクィナスに師事していたと見られている。アリストテレスの哲学の研究で業績を積み上げ、パリ大学で教鞭をとるようになった。

その学識を見込んだフランス国王フィリップ三世は息子フィリップ四世の教育をコロンナに依頼しており、それを受けてコロンナはフィリップス四世に捧げる『君主の統治(De regimine principum)』を著作として書き残している。その第3巻第3部において戦争術に関する考察が述べられているが、現在ではその記述の大部分はウェゲティウスの著作を参照したものにすぎず、あまりオリジナルな内容が含まれていないことが最近の研究で判明している。

しかし、この著作は14世紀のヨーロッパで権威ある業績と見なされ、各国の言語に翻訳された。ローマの軍事思想がヨーロッパにおいて再評価されるきっかけを作ったと言える。コロンナの著作は日本語に翻訳されたことはないが、英語の翻訳で読むことが可能である。