陳傳良

陳傳良

陳傳良(1137年 - 1203年)は南宋の学者である。『歴代兵制』の著者として中国の軍事学史に名を残している。

経歴

瑞安(現在の浙江温州)出身であり、字は君挙という。1172年に試験に合格して進士になり、文官として公務に就いたものの、間もなく辞職した。その後、学者として数多くの実績を残しており、1195年に朝廷からの招聘を受けて出仕した。軍事学において重要な著作に『歴代兵制』があり、これは古代以降の中国における軍制の歴史を記述した研究である。南宋では軍隊の指揮統制に問題が多かったため、過去の優れた軍制を参考にすることで今日の問題を解決することが意図されていた。

例えば、当時の宋軍では武器の訓練が疎かにされ、軍隊の規律は弛緩していた。訓練を厳格にすることは規律を厳格にして、士気を旺盛にすることにも繋がり、少数の部隊であっても大きな戦闘力を発揮できるようになることが期待される。また全軍の主力を地方に分散配備することは望ましいことではないことも指摘されており、主力は常に首都に残して辺境には警戒監視のための部隊だけを置くべきだと論じた。そうすれば、朝廷は軍隊に対する統制を強化し、国内を安定させやすくなると指摘されている。

『歴代兵制』は日本語に翻訳されておらず、またオンラインで読むこともできないようである。