コロム

コロム

フィリップ・ハワード・コロン(Philip Howard Colomb, 1831年5月29日 - 1899年10月13日)はイギリスの海軍軍人である。近代の海軍戦術に関する理論的研究によって高い評価を受けた。

経歴

スコットランドのノックブレックス出身。軍人の家に生まれ、1846年に海軍に士官候補生として入隊した。艦艇勤務の経験を積む中で新しい信号や戦術の研究に従事しており、その成果は1862年にイギリス海軍で採用された。1868年にHMSドリュアスで艦長に着任し、ザンジバルやオマーンの周辺で人身売買に従事する船舶を取り締まった。著作『インド洋における奴隷探し(Slave-catching in the Indian Ocean)』(1873)はこの時の作戦を記録したものである。その後もコロンは要職を歴任し、また海軍戦術に関する研究にも取り組んだ。主著『海戦(Naval Warfare)』(1891)は蒸気機関が導入された艦艇の戦術的運用について考察した研究成果である。1892年に海軍中将の階級で現役を退いた。その後も海軍に関する著作を書き残しており、19世紀のイギリスにおける海軍の専門家として評価を得ていた。

著作

  • Colomb, P. H. 1873. Slave-catching in the Indian Ocean: A REcord of Naval Experiences. Longoman.
  • Colomb, P. H . 1990(1891). Naval Warfare: Its Ruling Principles and Practice Historically Treated. Naval Institute Press.
  • Colomb, P. H. 1893. Essays on Naval Defence. W. H. Allen.