フリードリヒ二世『フリードリヒ大王の戦争学』

フリードリヒ二世『フリードリヒ大王の戦争学:プロイセン王から将軍への軍事教令』

18世紀のヨーロッパでプロイセン王に即位し、オーストリアとの戦争を指導したフリードリヒ二世がプロイセン軍の将軍のために記した軍事教令です。

フランス革命戦争・ナポレオン戦争より前に知られた軍事学の著作の中で特に影響力が大きかった古典であり、フリードリヒの死後もシャルンホルストによって再版されており、またジョミニはこの業績でフリードリヒに高い評価を与えている。

この著作で展開されたフリードリヒの軍事思想の特徴は少数精鋭である。数的に劣勢なプロイセン軍は他国の軍隊を戦闘効率において上回らなければならない、つまり後方支援、戦闘規律、教育訓練、部隊運用において他国の軍隊より優れていなければならないと考えられている。

オーストリア継承戦争で得られた戦訓を反映させたフリードリヒ直筆の一冊です。プロイセン軍の将官に読まれた著作を本邦で初めて翻訳しました。

目次

  • 第一章 プロイセン軍の強みと弱み
  • 第二章 部隊の補給と倉庫について
  • 第三章 酒保、ビール、ブランデーについて
  • 第四章 干草と青草
  • 第五章 地域に関する知識について
  • 第六章 戦局眼について
  • 第七章 部隊配置
  • 第八章 宿営について
  • 第九章 宿営地を警備する方法
  • 第一〇章 分遣隊を派遣する方法とその理由
  • 第一一章 戦争における欺騙と策略について
  • 第一二章 スパイについて、あらゆる状況で運用し、敵の情報を集める方法を知るべきであること
  • 第一三章 敵の意図を判断する方法について
  • 第一四章 宗教の違いによって生じる中立地域と敵性地域で使い分けるべき方策について
  • 第一五章 軍にとって必要になる行進の種類について
  • 第一六章 退却の途中において軽騎兵や軽歩兵に対してとるべき対策
  • 第一七章 ハンガリー人の軽騎兵や軽歩兵とプロイセン軍の軽歩兵で交戦する方法について
  • 第一八章 側面への迂回で敵軍に移動を強要し得るか
  • 第一九章 渡河について
  • 第二〇章 防御された河川を渡河する方法について
  • 第二一章 都市の奇襲について
  • 第二二章 交戦と戦闘
  • 第二三章 戦闘を遂行すべき理由とその方法について
  • 第二四章 戦争で起こる災難と予測不能な事故について
  • 第二五章 軍の司令官が戦争会議を持つべき必要性
  • 第二六章 軍の機動について
  • 第二七章 冬営について
  • 第二八章 冬季戦役の特性について