射撃統制

射撃統制

射撃統制(fire control)とは、目標に対して効果的に射撃を行うため、火器の発射方向、射撃の時間と弾量、弾薬の爆発などを制御することである。射統と省略する。同義語として射撃指揮、射撃指揮管制、火器管制という用語が使われることもある。

概要

射撃統制の目的は最小限の弾薬消費で最大限の射撃効果を得ることである。もともと火器による射撃は人間の視覚や四肢の運動によって制御されていたが、現代の武器体系では射撃統制をシステム化しているものが多い。例えば、水上艦に搭載される近接防空システム(Close-In Weapon System)は目標の捜索と探知、敵味方識別、目標の捕捉と追尾、未来位置修正角の解析、射線の付与、射撃、射撃効果の評価に至る処理が完全に自動化されたシステムを使用している。このようなシステムは射撃統制システム(fire control system)と呼ばれており、一般的にFCSと略称される。

FCSにもさまざまな種類があり、車両、艦艇、航空機など装備別に開発が進められている。これはそれぞれ異なる性能が求められるためであり、例えば航空機に搭載されるFCSは電波機器で空中目標を捕捉追尾できるだけでなく、航空機を操縦しながら瞬時に操作できなければならない。水上艦艇のFCSにはそのような操作性は求められないが、空中目標だけでなく、陸上、水上の目標を幅広く捜索できることが必要であり、さらに潜水艦のような水中目標を捜索するために音響機器も使用できなければならない。近年、戦場がより広域化、流動化するのに合わせて、FCSの性能向上が求められており、ネットワーク化や上位システムとの統合などが課題になっている。

参考文献

  • U.S. Army Material Command. 1968. Engineering Design Handbook, Fire Contorl Series 1: Fire Control System, General. AMCP 706-327. Washington, D.C.