ハワード

ハワード

マイケル・ハワード(Michael Eliot Howard, 1922年11月29日~2019年11月30日)はイギリスの歴史学者である。軍事史学の研究対象を戦役や戦闘から国家や社会にまで広げる「新しい軍事史」の発展に貢献した。

経歴

イングランド南西部のドーセット出身。裕福な家庭で生まれ育ち、名門の私立高校ウェリントン・カレッジで教育を受け、オックスフォード大学クライスト・チャーチに進学した。1942年にイギリス陸軍に加わり、士官候補生学校での教育課程を経て1943年にコールド・ストリーム近衛連隊に配属された。第二次世界大戦では1943年9月のアヴァランチ作戦に参加し、イタリアで戦っていた。1944年1月から5月まで続いたモンテ・カッシーノの戦闘で功績を上げ、勲章が授与されている。

1945年に戦争が終わると大学に戻り、1953年にロンドン大学キングス・カレッジ・ロンドンで軍事学の講師となった。1961年に『普仏戦争』を出版し、高い評価を受けたことも重要な業績である。1962年に戦争学部を設置し、1964年に正教授に就任した。クラウゼヴィッツの思想に関する研究でも成果を上げており、1976年に『戦争論』の英訳を、1983年にその生涯や思想を検討した『クラウゼヴィッツ』を発表した。この間にオックスフォード大学オール・ソウルズに移っており、1977年からはチチェリー講座戦争史教授として、1980年からは近代史欽定講座教授として勤務している。1989年にイェール大学の歴史学部で軍事史の教授となり、1993年まで務めた。

主な著作