スウィントン

スウィントン

アーネスト・ダンロップ・スウィントン(Ernest Dunlop Swinton, 1868年10月21日 - 1951年1月15日)はイギリスの陸軍軍人、軍事学者である。戦術学の研究領域において高い評価を受けている。

経歴

インドのバンガロール出身。現地で勤務していた官吏の家に生まれた。家族とともにイングランドに戻り、そこで基礎的な教育を受け、王立陸軍士官学校に入学した。1888年に砲兵科の将校として少尉に任官し、インドへ赴任した。第二次ボーア戦争が勃発した1899年に南アフリカに派遣されたが、そこでの経験から戦術を研究するようになり、小部隊戦術に関する著作『愚者の渡しの守り』(1904)を匿名で出版した。日露戦争が勃発すると陸軍の戦史家として調査に当たるなど、イギリス陸軍における戦術学の研究に深く関与するようになった。

1914年に第一次世界大戦では西部戦線の現地調査に従事した。当時の戦闘では陸軍の公式の戦術ドクトリンが塹壕戦で機能しないことが明らかになり、新たな戦術の確立が模索されていた。スウィントンはこの時機に戦車という装備の可能性にいち早く着目した人物であり、機甲部隊の訓練教範を編纂する事業にも参加した。スウィントンは1919年に陸軍を退き、その後はさまざまな職業を転々としていたが、1925年にオックスフォード大学の軍事史教授に就任し、1939年までその職を務めた。その後は著述業に専念している。オックスフォードで死去。

著作

スウィントンの著作で現在でもよく知られているのは小部隊戦術を物語の形式で解説した『愚者の渡しの守り』(1904)である。これは変名であるバックサイト・フォーソート(Backsight Forethought)として出版された。戦術学の分野では参考書として今でも広く読まれている。