スウィントン『愚者の渡しの守り』

スウィントン『愚者の渡しの守り』

アーネスト・スウィントン『愚者の渡しの守り:タイムループで学ぶ戦術学入門』(Kindle版)武内和人訳、国家政策研究会、2018年

概要

イギリス陸軍軍人アーネスト・スウィントンが軍人を志す若者に向けて書いた戦術学の入門書。分遣隊となった歩兵小隊の指揮をとる中尉の立場に経ち、愚者の渡しと呼ばれている渡河点を防御するための戦術をタイムループの物語を読み進めながら考える内容になっている。1904年にイギリスで出版されて以来、現在に至るまで小部隊の戦術運用を考えるための必読書として多くの軍人に読み継がれている。

愚者の渡し(2)の周囲に広がる地形。上に凸の形に河川が流れており(1)、その前方に台地(3)が見える。後方にもなだらかな高地があり(4)、また右手の方向には断崖が見える(5)。また(4)の高地の頂上には現地住民の小集落が、また断崖(5)の下には農園がある。この地形を踏まえて、およそ30名程度の部隊を率いて愚者の渡し(2)を守ることが、任務として示されている。