朝鮮戦争

朝鮮戦争

朝鮮戦争(Korean War)とは1950年から1954年まで戦闘が続けられた戦争であり、北朝鮮、中国の陣営と韓国、アメリカの陣営とに分かれて遂行された。

冷戦初期の限定戦争の事例として注目されただけでなく、史上初の国連軍の出動、ジェット機を用いた航空戦など、軍事史において画期的な戦例だった。

概要

第二次世界大戦直後、日本が領土として支配してきた朝鮮半島は北朝鮮と韓国で南北に分断された。両国は間もなく軍備の拡張に着手し、韓国はアメリカの援助で1946年に、北朝鮮はソ連の援助で1948年にそれぞれ軍隊を創設した。北朝鮮軍の近代化は韓国よりも進んでおり、ソ連製の戦車、装甲車、火砲を多数装備し、外国が干渉する前に勝敗を決することができるように短期決戦を目指した。

1950年6月25日、北朝鮮の韓国に対する侵攻から戦争が始まった。国境付近の韓国軍は敗退し、ソウルも陥落した。間もなく在日米軍を主力とする国際連合軍が投入され、釜山を中心に防衛線を保持し、北朝鮮軍を相手に辛うじて領土を守り通すことができた。同年9月、国連軍は仁川に海岸堡を獲得し、これ以降は釜山の部隊と連携して反攻に転じた。同年10月に国連軍は当初の国境を越えて北朝鮮に攻め入り、中朝国境に迫る勢いを見せた。

しかし、同年10月に中国軍が介入したことで戦局は一変し、国連軍は後退を余儀なくされた。1951年1月、国連軍は態勢を立て直して反撃したが、同年2月に中国軍も反撃したため、38度線の付近で戦線が降着した。1951年6月から緩慢な戦闘が続く中で停戦交渉が進められ、これは一時的な中断も交えて1953年の春まで続いた。1953年7月23日に朝鮮休戦協定が発効し、国連軍と中国軍はそれぞれ段階的に撤退した。ただし、講和が成立したわけではなく、戦争は2019年現在に至るまで継続中である。

参考文献