リッケ

リッケ

アーサー・リッケ(Arthur F. Lykke, Jr. 20世紀後半)はアメリカの陸軍軍人である。戦略学の教育を通じてアメリカ軍の戦略思想に大きな影響を及ぼしたことで知られている。

経歴

リッケに関する経歴は不明点が多く、有力な資料もほとんど見当たらない。アメリカ陸軍で勤務し、最終階級は陸軍大佐である。アメリカ陸軍大学校(Army War College)の教授として戦略学を教え、アメリカ陸軍における戦略思想に大きな影響を残した。リッケはマクスウェル・テイラーの戦略思想に着想を得て、あらゆる軍事戦略を目標、構想、資源の3つの要素の集合だと定義し、これら3者間の均衡がとれていないことをリスクとして分析できると主張した。この考え方は1989年に発表されて以来、アメリカ陸軍のみならず、アメリカ軍の全体に普及しており、ドクトリンの形成にまで影響を及ぼしている。その貢献は高く評価されている一方で、戦略と政策の関係を見落としているなども批判もあり、その意義については再検討されている。

著作

  • Lykke, A. 1989. Defining Military Strategy = E + W + M. Military Review, Vol. 69, No. 5.