アプトン

アプトン

エモリー・アプトン(Emory Upton、1839年8月27日-1881年3月15日)はアメリカの陸軍軍人であり、軍事学史においては列強諸国の軍隊の制度や歴史を調査してアメリカの軍事政策を検討した『アメリカの軍事政策(The Military Policy of the United States)』の著者として知られている。

経歴

ニューヨーク州バタヴィア近郊の出身。オーバリン・カレッジで学んだ後、1856年にウェストポイントの陸軍士官学校に入校した。南北戦争が勃発した1861年に卒業して砲兵科の士官になったが、数々の戦闘を通じて軍功を上げ、歩兵、騎兵を指揮する経験も積んだ。終戦後、1867年に陸軍士官学校で戦術の研究に従事し、新式の歩兵戦術を提案している。1870年からは教官として戦術を教え始めていたが、列強諸国の軍隊を調べるための調査旅行に赴き、その成果を『アジアとヨーロッパの陸軍(The Armies of Asia and Europe)』(1878)でまとめた。そこではアメリカ陸軍を他の列強の陸軍と同じように近代化させる必要性が訴えられており、その後のアメリカ陸軍がドイツ陸軍の制度を参考に改革を推進することを促した。その後も教育訓練の任務に当たっていたが、ひどい頭痛に悩まされるようになり、拳銃で自決したが、死後になって陸軍長官の指示の下で遺稿がまとめられ『アメリカの軍事政策(The Military Policy of the United States)』(1904)として出版された。サンフランシスコにて死去。

著作

アプトンの業績として知られているのは『アメリカの軍事政策』である。20世紀初頭にアメリカ陸軍で実施された改革にも大きな影響を及ぼした。同書は日本語に翻訳されていないが、オンラインで読むことができる。

Upton, Emory. 1912(1904). The Military Policy of the United States. Government Printing Office.(外部リンク、InternetArchive、英語)